2022年の“心の底から泣ける映画”として感動を呼んだ「コーダ あいのうた」。
この映画の伏線や小ネタについて解説します!
「『コーダ あいのうた』ってどんな映画なの?」という人は、👇の本編映像(YouTube動画)もチェックしてみてください。
「コーダ あいのうた」のあらすじ
【あらすじ】
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聴こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし・・・。
https://gaga.ne.jp/coda/
①「コーダ あいのうた」とフランス映画「エール!」との違い
「コーダ あいのうた」には、原作となるフランスの映画「エール!」(2015年)があります。
「コーダ あいのうた」は、ルビーという家族の中で唯一耳が聞こえる女の子が主人公。
「エール!」は長女のポーラが主人公で、どちらの映画も音楽で夢を追う姿が描かれています。
「エール!」では、ポーラがある日、音楽教師のトマソン先生からパリの音楽学校に進学することを勧められるのですが、彼女の声を聴くことができない家族は猛反対!
ポーラは、家族と将来の夢との間で葛藤しながら、歌と向き合っていくのです。
2つの映画の主な違いは、以下の点があります。
【年齢】
・「コーダ あいのうた」→ルビー(高校生)
・「エール!」→ポーラ(中学生)
【家族構成】
・「コーダ あいのうた」→父、母、兄、主人公(ルビー)
・「エール!」→父、母、主人公(ポーラ)、弟
【家族の職業】
・「コーダ あいのうた」→漁業
・「エール!」→酪農
【家族の危機】
・「コーダ あいのうた」→家業としての漁業の停止を命じられる
・「エール!」→仕事での支障は起きない
こうやって見ると、2つの映画はとてもよく似ていますね。つまり、「コーダ あいのうた」は「エール!」の「ハリウッド・リメイク版」なのです。
「リメイク版ってどうなの?」と思う方もいらっしゃると思いますが、とにかく泣ける感動作だからぜひ見てみてください!
原作はもちろん素晴らしいのですが、もはや原作を超えたといってもいい素晴らしい作品です。
②タイトルの「コーダ(CODA)」の意味
『コーダ』というタイトルは、”Children of Deaf Adults”(聾唖者の両親の子供)の略称で、本作の主人公ルビーが抱える家族の事情を象徴しています。
また、コーダ(CODA)は音楽用語では”楽曲の最後に曲全体を締めくくる「末尾」「最後部」”という意味もあります。
ルビーは耳の聞こえない両親と兄と共に生活し、家業の漁業を営んでいますが、彼女の本当の夢は音楽の世界で活躍することでした。
そして、彼女は両親の反対を押し切り、音楽学校に進学することを決意します。コーダ(CODA)のタイトルが表すのは、ルビーの過去と現在、そして未来を象徴する物語であると言えます。
③「コーダ あいのうた」の伏線 「海」と「湖」について
海と湖は、映画「コーダ あいのうた」の中でルビーが訪れる二つのシンボリックな場所です。それぞれの場所で、ルビーが感じているイメージは大きく異なっています。
<海>
海はルビーにとって、父親と兄と一緒に通訳者として漁をする場所であり、家族を支えながら、生計を立てるために欠かせない「現実の場所」です。
そこではルビーは大人としての責任を果たすことが求められ、自分の夢を追い求めるための学業や音楽の時間は奪われてしまいます。
<湖>
一方、湖はルビーにとって無邪気な子供のままでいられる場所であり、同級生のマイルズと共に青春を過ごす場所でもあります。湖の崖を飛び降りる場面は、彼女が夢に向かって前に進む勇気を表現しています。
ルビーは家族を支えるために、幼い頃から通訳者としての責任を負うことが求められてきました。ルビーにとって湖は、子供のように自身を解放し、自分を取り戻す場所なのです。
④「コーダ あいのうた」のラストシーンの手話の意味は?
ルビーは音楽大学に合格し、ついに地元を離れることになります。彼女が家族と抱擁を交わすシーンには、多くの人が涙を流したことでしょう。
そして、家族と別れる際、車から手を伸ばしながらポーズをとったことが印象的でしたが、その意味は何だったのでしょうか?
ルビーが表現した手話の意味は“愛している”でした。最初はわからなかったかもしれませんが、後で意味がわかってさらに泣かされました…。このラストシーンの手話の演出は最高だったと思います。
ルビーが伝えたい想いは、どんなに遠く離れていても家族を”愛している”ということ、そして、過去・現在・未来を含めて自分の人生を”愛している”ということでした。
この想いが込められた最後の場面の手話には、誰もが感動を覚えることでしょう。
⑤「コーダ あいのうた」 音の世界と無音の世界
映画『コーダ』では、耳が聞こえる人々と耳が聞こえない人々の2つのグループが存在しています。この違いは、彼らが暮らしている世界にある「音の有無」によって決まります。
健常者たちは音がある世界で暮らしている一方、聾唖者たちは音がない世界で暮らしています。
このように、同じ場所にいても音に関する世界観が全く異なるということがあるのです。
そして、主人公のルビーは、耳が聞こえる健常者でありながら、聾唖の両親に育てられたコーダです。映画の中では、ルビーが歌声の素晴らしさを表現する名シーンがあります。それは、ルビーが通う高校で開かれた合唱コンサートです。
健常者の観客は、ルビーの美しい歌声を心地良い音として楽しむことができます。しかし、聾唖者であるルビーの両親は、娘の歌声を聴くことができません。
それでも、ルビーの父親は周囲の人々(健常者)がルビーの歌声に感動する姿を見て、彼女の歌声の素晴らしさを確信しました。
このシーンは、聾唖の両親と健常者の間に存在する世界観の狭間にいるルビーの存在を象徴しています。彼女の美しい歌声は、音に関する世界観に縛られることなく、すべての人々に届けることができるのです。
この感動的なシーンは、ルビーの持つ才能と愛を伝えると同時に、「音の有無」といった異なる世界観が共存することの美しさを示しています。
映画『CODA』の合唱コンサートにおける無音演出は、音が聞こえない人々が暮らす世界を耳が聞こえる人々に伝える革新的な手法でした。 この演出によって、観客は音のない世界を追体験することができました。
これは、耳が聞こえない人々が持つ世界観に触れるだけでなく、映画ならではの体験であり、舞台やリアルでは実現不可能なものでした。
これこそが映画が持つ魅力の一つであり、この場面は映画史に残る名シーンのひとつだと思います。また、父親がルビーの首に手を置いて喉の振動を確かめ、彼女の歌声の美しさを確信する場面も本当に感動的でしたね!
以上が、「コーダ あいのうた」の伏線・疑問点・小ネタについてでした。
あれっ…?そんな伏線あったかな?
もう一度、見てみたいな
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「コーダ あいのうた」の見どころ(おすすめポイント)は?
それでは、私が最も感動した「コーダ あいのうた」の見どころをご紹介します。
心震えるルビーの美しい歌声
この作品の最大の魅力は、ルビーの歌声に尽きます。彼女の美しい歌声は、まるで心を包み込むような深い響きがあり、誰もが魅了されることでしょう。しかし、その彼女の最高の歌声は、耳が聞こえない両親には届かないのです。
そんな中、特に印象的なシーンがあります。
音楽大学の試験でルビーが歌った「青春の光と影」。ジョニ・ミッチェルの美しいメロディーにのせて、ルビーが心を込めて歌う姿には、涙がちょちょぎれます。
その歌詞は、ルビーの心情とピッタリと重なっていました。手話を織り交ぜた歌の表現によって、耳が聞こえない両親にもルビーの「心の歌」を届けることができたのです。
こうした演出は映画体験の真骨頂でもあり、この作品が私たちの心に残っていく名シーンの一つになることは間違いありません。
劇中に流れる名曲の数々
映画『コーダ あいのうた』公式サイトから
- ♪デヴィッド・ボウイ「スターマン」
- ♪ジョニ・ミッチェル「青春の光と影」
- ♪ザ・クラッシュ「I Fought the Law」
- ♪エタ・ジェイムス「Something’s Got A Hold On Me」
- ♪シャッグス「My Pal Foot Foot」
- ♪マーヴィン・ゲイ「Let’s Get It On」
- ♪マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル「You’re All I Need To Get By」
- ♪アイズレー・ブラザーズ+「It’s Your Thing」 他
これらの音楽なしに、この素晴らしい映画の魅力は語ることはできません!
古い曲もありますが、ぜひ原曲も聴いていただき、これらの曲の新しい魅力も感じていただければと思います。
劇中の登場人物の輝き!
そして何よりも最大の見どころは、劇中の登場人物のキラキラとした輝きです。耳が聞こえない家族が強く逞しく、熱い生き方を貫き、他者に依存しない姿には、ただ尊敬を抱かされます。
父親役のトロイ・コッツァーのアカデミー賞助演男優賞は誰しもが納得です。
下ネタ全開の手話も大いに笑えてすこ。そして、ルビーの音楽の才能を見抜いて育ててくれた合唱部のV先生もグッジョブ! 超変わり者であるものの、愛が溢れる熱血教師でした。
娘に残ってほしいと思う両親に対して、妹を思って突き放す兄、その大好きな兄の心を誰よりもわかっている妹、そして家族を思って夢を捨ててまで残ろうとする娘。
家族の関係性は美しく、登場人物のお互いを思いやる気持ちと優しさが温かくあふれています。
娘を頼る両親も、最後は娘のためなら自分たちの執着を捨てて、彼女の人生を優先しようとする姿が素晴らしい。娘を強く送り出す光景にも感動を覚えます。
母親が「耳が聞こえない子を願っていた」ということを告白する場面は、家族の絆において、新たな気づきを与えてくれるシーンでもありました。
「コーダ あいのうた」 印象に残ったセリフ・シーン
「君は17年しか生きていない」
最初はキザで嫌な印象のV先生ですが、彼はルビーにとって音楽の才能を開花させ、生きる力を与えてくれた存在です。外見からは想像できないその内面には、熱い情熱がほとばしる指導者でした。
厳しくも優しい指導により、ルビーは音楽の道を歩み始めますが、度重なる遅刻や態度の悪さに怒りを爆発させ、一時はルビーを突き放してしまいます。
しかし、彼女が抱える現実を知り、その苦しみを理解すると、一変して優しさに包まれた指導となりました。
その時、V先生がかけた言葉は、ルビーの心を揺さぶるものでした。
“君は17年しか生きていない”。その言葉は、彼女の大人としての責任と、子供である彼女の夢や希望の狭間で揺れる心を包み込みました。
ルビーが抱える悩みや苦しみを理解した上で、V先生は彼女を輝く未来へと導いてくれたのです。”17年しか生きていない”ことを胸に、夢や希望を抱き、前に進む勇気を与えてくれたのです。
V先生は、ルビーが今まで辿ってきた道のりを尊重し、彼女の成長を見守りながら、かけがえのない名指導者として彼女を導いていったのでした。
「家族のために犠牲になるな」
ルビーは家族のために自分の夢を諦めることを考えていました。
しかし、兄は「兄としてのプライド」と「妹の自己犠牲の姿」に苦しみます。兄はルビーに向かって「家族のために犠牲になるな」と諭しました。
その言葉は、彼の強い言葉とは裏腹に、家族への深い愛情が込められており、ルビーの夢を応援する思いが強くあふれています。
兄である彼は本来、家族を支えるべき立場にあるはずでした。しかし、その負担が妹であるルビーに大きくかかっていることを痛感し、自分自身の役割を見つめます。
彼は、妹の夢を応援することが正しいことだとし、妹自身が自分を成長させ、夢を実現させることを誰よりも望んでいました。
そんな温かな気持ちが込められた兄の言葉は、ルビーの心を深く打ちます。彼女は兄の思いにふれて、夢を追い求める勇気を得たことでしょう。
兄の言葉は、家族への深い愛情の表れだったとともに、ルビーにとっても、大切な「希望の灯」となったのです。
「コーダ あいのうた」のみんなの評判は?
「コーダ あいのうた」は世間でも大きな話題になりました。
「コーダ あいのうた」はこんな人にオススメ
「ただ泣きたい!」「感動に包まれたい!」という方、「家族愛の物語を観たい」といった方には、とってもおすすめ! 美しい音楽にあふれる、ぽかぽかとした温かな世界にふれることができます。
ちなみに「コーダ あいのうた」は、2022年度「アカデミー賞」で作品賞を含む主要3部門を受賞。アカデミー賞の前哨戦ともいわれる「サンダンス映画祭」では史上最多となる4冠にも輝きました。
この映画が上映されるやいなや、映画配給権に殺到する各国バイヤーたちが争奪戦を繰り広げ、同映画祭史上で最高額となる約26億円で落札されたことも、大きなニュースになりました。
【まとめ】コーダ あいのうた【伏線・考察・小ネタ】
以上、「コーダ あいのうた」の伏線・考察・小ネタ、見どころについて解説しました。
- 原作『エール!』との違い
- タイトルの「コーダ(CODA)」の意味
- 「海」と「湖」の伏線
- ラストシーンの手話の意味は?
- 音の世界と無音の世界
以上、いかがだったでしょうか?
そんな小ネタ、あったかな?
もう一回、みてみたいな~
というあなた…!
で、視聴できますよ!
ぜひ一度、この素晴らしい映画を見てみてくださいね!
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【関連記事】コーダ あいのうたの撮影場所はどこ?