「エブエブ」こと「Everything Everywhere All at Once」は、2022年に公開されたSFアクションコメディ映画です。
第95回アカデミー賞では最多10部門11ノミネートを果すなど、高い評価を得ました。アカデミーでは、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞など、7部門を受賞しています。
エブエブのあらすじと出演俳優
「エブエブ」は、ダニエル・クワンとダニエル・シャイナートが監督し、ミシェル・ヨー、ステファニー・スー、キー・ホイ・クァン、ジェームズ・ホン、ジェイミー・リー・カーティスらが出演しています。
この映画は、中国系アメリカ人のコインランドリー経営者であるエヴリン・ワンが、マルチバースの存在を知った後、自分自身と世界を破壊しようとする脅威から家族を救う物語です。
主人公のエブリンは、日常生活に追われ、家族との関係にも悩みを抱えているミドルエイジの女性。
ある日、彼女は突然、マルチバースと呼ばれる並行宇宙に巻き込まれてしまいます。
エブリンは、世界を救うために、自分とは異なる能力を持つ「他の自分たち」の能力を使わなければなりません。
「Everything Everywhere All at Once」は商業的な成功を収め、2億5000万ドル以上の興行収入を記録しました。
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エブエブのアカデミー受賞理由３選
この映画がアカデミー賞を受賞した理由はたくさんありますが、最も注目すべきは「多様性」へのポジティブな視点です。
ここでは、私なりに感じたアカデミー受賞の理由を３つご紹介します。
エブエブのアカデミー理由１ 多様性と包括性
エブエブは、多様性と包括性について前向きなメッセージを発信していて、幅広い層の観客に愛されています。
主人公のエブリンは中国系アメリカ人女性で、夫はベトナム系アメリカ人男性、娘は多文化的な学校に通っています。
エブエブには、このようなアジア系アメリカ人をはじめ、LGBTQ+、障がい者など、さまざまなバックグラウンドを持つキャラクターが登場します。
こうした多様性をもったキャラたちが、世界を救うために、自分の弱さを克服し、勇気を持って挑戦する姿がポジティブに受けとめられているのでしょう。
アカデミー賞は、白人優位の組織ともいわれていて、過去には白人男性の優位性を反映した作品が多く受賞してきました。
エブエブの成功は、アジア系アメリカ人の視点から描かれた物語が、アカデミー賞でも認められたということですね。
エブエブのアカデミー理由２ シンプルで感動的なストーリー
エブエブは、家族の絆、愛、希望、そして受け入れることについての物語です。
怒涛の展開の反面、そのメッセージは普遍的かつシンプル。この映画の中心にあるのは「家族」なのです。ラストの感動的で心温まるシーンも魅力です。
エブリンは日常生活に追われ、家族との関係に悩みを抱えている普通の女性です。ごくごく普通の女性が世界と家族を救うために、勇気を持って立ち向かう姿に、多くの人が共感するのでしょう。
また、頼りなく見える夫への不満も、最後には自分を心から守ってくれるパートナーへの感謝へと変わり、何気ない日常の幸福の「気づき」を与えてくれます。
映画の展開としては、情報量やおふざけ、ハチャメチャなアクションシーンがてんこ盛りなのですが、メッセージとしては、笑いあり、涙ありのシンプルなエンターテインメント作品となっています。
エブエブのアカデミー理由３ 独創的で想像力に富んだ作品
エブエブは、独創的で想像力に富んだ作品でもあります。マルチバースの概念をエキサイティングな方法で探求しています。
映画では、様々なマルチバースの世界が登場し、エヴリン・ワンはこれらの世界を旅し、様々な能力を身につけていきます。その中には、カンフー使い、武道家など、さまざまな能力の修得があります。
エブリンは、自分たちを取り戻すために、自分とは異なる能力を持つマルチバースでの異なる自分のスキルを習得しなければなりません。
エブリンは、これらの能力を使って、世界を救うための戦いに挑みます。マルチバースの概念をこれまでにない方法で表現し、観客を楽しませてくれます。
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エブエブの脚本はジャッキー・チェンのために書かれたものだった！
以上が、アカデミー受賞理由ですが、最後に触れておきたいのが、俳優たちの演技力です。
エヴリン・ワン役のミシェル・ヨーは、劇中で素晴らしい演技をしており、彼女のパフォーマンスは映画の成功に大きく貢献しています。
キー・ホイ・クアン、ジェームズ・ホン、ステファニー・スーと、キャスト全体が素晴らしい化学反応を見せています。
ちなみに、エブエブはもともとジャッキー・チェンのために書かれた脚本だったことは有名です。もし、主人公をジャッキーが演じていたら、全く違った映画になっていたのでしょうね。
エブエブは「つまらない」「面白くない」との声も
一方で、この映画が面白くないと感じる方や、さまざまな声があるようです。
いろんな意見もありますが、私なりに考える「つまらない」「面白くない」理由は、次の3つです。
1. ストーリーがぶっとんでいる
エブエブは、マルチバースを舞台にしたSFアクションコメディです。その設定とストーリーがぶっとんでいるとの声もあります。
冒頭のストーリー展開を追い続けるのが、ちょっとしんどかったという人がいます。
初めて見る人は、最初に多元宇宙の概念を理解し、登場人物が何をしているのかを理解するのかが難しかったのかもしれません。
また、虫を鼻に入れたり、リップクリームを食べたり、突拍子もないことをすることでバースジャンプできるという設定は、「意味不明」「くだらない」といった声もあります(笑)。
登場人物も多く、それぞれの関係が複雑に絡み合っているため、ストーリーを追いかけるのが面倒で、途中で飽きてしまうのかもしれませんね。
2. ユーモアのセンスがすべての人に合うわけではない
エブエブは、ユーモアたっぷりのコメディアクション映画ですが、そのセンスはシュールなものが多く、一部の人には理解しにくいかもしれませんし、人を選ぶかもしれません。
ブラックユーモアや下ネタもあり、そのセンスが苦手な人は、面白くないと感じてしまうでしょう。
「ワンちゃんの扱いがひどくて笑えない」といった声もあります。動物愛護家の方には受け入れられないでしょうね…
3.ハードルをかなり上げた状態で観ている
また、これも理由の一つかもしれませんが、「つまらなかった」「面白くない」という人は、アカデミーの受賞やこれまでの高評価の声によって、「エブエブ」を観る前から期待をして、かなりハードルを上げた状態だったのではないでしょうか。
実際に映画を観てみたら、期待ほどではなかったということはありがちです。「エブエブ」はそのギャップが大きな映画なのかもしれません。
他にも、「アクションシーンが長すぎる」「退屈だ」という声もあるようです。
しかし、そもそも映画は、すべての人にとって楽しいものであるとは限りませんし、好みもあります。
ぶっとんだストーリーが苦手な人や、正統派の感動的な映画が好きな人には、ピンとこないかもしれません。
私はラストシーンはグッときてしまいましたけどね。
映画の受け止め方は人それぞれ。この映画を面白くないと感じたとしても、それはそれで問題ないと思いますよ！
エブエブまとめと視聴方法
エブエブは、ハチャメチャなアクションシーンやユーモア、そして感動的なストーリーが魅力の映画です。
アカデミー受賞作品の話題の映画「エブエブ」こと「Everything Everywhere All at Once」。
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